Mojo Buford - 引き際
モジョ・ビュフォード (Mojo Buford) のライブに行って参りました。マディ・ウォーターズ (Muddy Waters) のバンドで演奏していたこともあるブルース・ハープ・プレイヤー。今年79歳になりますが、現役で演奏活動をしているブルース・レジェンドの一人です。私がこれまでにライブで観たブルース・レジェンドは、パイントップ・パーキンス (Pinetop Perkins)、ジェイムズ・コットン (James Cotton)、 ウィリー・ビッグアイズ・スミス (Willie “Big Eyes” Smith)。実は私はモジョ・ビュフォードの演奏を聴いたことがなかったので、今回のライブはとても楽しみにしていました。この日は、キム・ウィルソン (Kim Wilson) のライブの翌々日、うちのバンドのギグの翌日で、寝不足が続いていて体力的にかなりきつかったのですが、気合を入れて出かけました。
杖をついてよたよたとステージに登場したモジョ・ビュフォード。「だ、大丈夫か?」 とちょっと心配になりましたが、ガンベルトのようなハーモニカー・ホルダーを肩からかけるのをみて、興奮し始めた私。それを横でなだめる夫。
肝心の演奏は、、、リズムはよたついているし、構成もなんだかよくわからないし、音色も薄い。まあ音色については、アンプを使わずにPAを通しての演奏だったので、そのせいも少しはあるかもしれませんが、、、。昔は上手かったんだろうとは思いますが、昨晩の演奏は、「すげー、さすがマディと演っていただけあるぜ!」 という感じではなかったです。
どのようなジャンルの音楽においても、優れたミュージシャンが歳を取ることによって素晴らしい演奏ができなくなって行くのを見るたびに、私は複雑な気分になります。パイントップ・パーキンスもオスカー・ピーターソン (Oscar Peterson) も、数年前にライブで観た時は、残念な思いが残りました。思い入れの強いミュージシャンであるからこそ、歳を取って弾けなくなって行くのを見るのは辛いのです。それでも (よたよたな演奏をしていても) 有名なミュージシャンのチケットは高額で売れるわけで、観客はたとえ大したことのない演奏でも大好きなミュージシャンを一目見られたということで、大喜びするわけです。それはそれで良いのですが、私は 「それはちょっとどうかな」 とも思うのです。ろくな演奏もできないのに、名前で人を集めて高いチケットを売って、演奏に対してではなくて過去の栄光に対して拍手をもらうのは、(本人達はそんなつもりはないのだろうけれど) ちょっと悲しいのではないかと。そう考えると、今年引退するアルフレッド・ブレンデル (Alfred Brendel) の決断は、とても潔いもののように感じます。彼は今年で77歳ですが、2月に聴いたコンサートは、本当に素晴らしいものでした。惜しまれながら、心に残る演奏を残してステージを去って行くブレンデルの姿を見ていると、「この人は引き際というものをしっかりと心得ているんだなあ」 と思いました。 (>Alfred Brendel)。
まあ、パイントップ・パーキンスにしろオスカー・ピーターソンにしろ、今回のモジョ・ビュフォードにしろ、ステージの上で演奏するのがとても楽しそうで、それはひとつの救いではあります。
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