Shiny person

4月 20, 2008 at 7:03 pm (家族 / 友達 / 夫婦, 日々のこと)

先日、久しぶりにエイドリアンと会った。エイドリアンは数年前までブリストルに住んでいた、私と夫の共通の友達である。彼は私と同い年なのだけれど、まだ若い頃に脳の手術の失敗が原因で、視力を失ってしまった。それから自暴自棄になって、かなりむちゃなことをした時期もあるらしい。人生の理不尽さを身に染みて知っている人であり、悲しみと絶望のどん底から這い上がってきた人である。私も20代のうちに突然の事故で夫を亡くしたりしているので、彼の感じた悲しみや怒りや絶望はほんの少しだけれどわかるような気がする。
エイドリアンと一緒にいて実感するのは、この世の中がマイノリティにとっていかに不便にできているか、ということである。視覚障害者として生活することが大変であろうことは少しは想像がつくけれど、実際に彼の家に泊まりに行ったり一緒に外出したりするたびに、想像することと実際に生活することのギャップを思い知らされる。例えば、家に一人でいる時にはつけない部屋の明かりを、私達のためにエイドリアンがつけてくれる時、私の胸はずきんと痛む。ビタミン剤を探しているエイドリアンに 「このオレンジの?」 と聞いてしまった後、はっとして謝る馬鹿な自分がいる。
そんなエイドリアンであるが、彼は周りの人間に対して、ものすごく洞察力がある。ある時、私はじっとエイドリアンを見つめていたことがあった。別に何かを考えていたわけではなくて、ぼーっとしていて、何の意識もせずにただ見つめていたのである。するとエイドリアンは 「何でそんなに見つめてるの?」 と聞いてきた。びっくりした私は 「あ、いや、エイドリアンが好きだからだよ」 と答えるしかなかったのである。私が現在の夫に好意を抱いていることにいち早く気づいたのも、エイドリアンであった。誰にも言っていなかったにもかかわらず、エイドリアンは私の心の動きを目ざとく読んだのである。また先日は、別れ際にハグをした後、”Keep Shining! You are shiny person.” と言ってくれた。誰に言われてもうれしい言葉だとは思うけれど、エイドリアンが言ってくれたことが私にはとてもうれしかった。それはたぶん、目には見えない輝きなのであろうから。

エイドリアンは最近、素敵な恋人と婚約をして、とても幸せそうである。自分で始めたビジネスも、大変そうではあるが順調なようだ。部屋の明かりはエイドリアンにとって意味を成さないけれど、太陽の光は万人の上に平等に降り注ぎ、彼の心と身体を温める。そんな太陽の光のような幸福が、これからも彼にたくさん訪れることを願っている。

2件のコメント

  1. まき のコメント

    Yukiさん、こんにちは。初めまして。
    お友達のお話、なんだかじ~んときました。
    そんな方と仲良くなれたYukiさんは、とてもラッキーですね。。。

    さて、こちらのブログ、今日初めて訪れました。
    私もブリストル在住、英人夫と2人暮らしの日本人女です。
    Cothamに住んでます。
    これからも時々遊びに来ますね。

  2. Yuki のコメント

    >まきさん

    こんにちは!わー、ブリストル在住の日本人の方からコメントをいただくのは初めてなので、うれしいです。奇遇ですが、私もCothamに住んでいます (数ヵ月後に引っ越す予定なのですが)。

    4月も末だというのに、なんだか寒い毎日ですね、、、。早く暖かくなりますように、、、。
    またぜひ遊びにいらしてくださいね!

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