Cadillac Records

3月 1, 2009 at 9:21 pm (映画, 音楽) ()

昨年の暮れにアメリカで公開となった映画。ブルースやジャズ、R&B、ロックンロールの数々の名曲をリリースした、チェス・レコード (Chess Records) の話です。これはもう絶対に観に行かねば!と去年からずっと楽しみにしていたのですが、イギリスでもやっと公開になったので、バンドメンバーと一緒に観に行ってきました。

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キャストは、レナード・チェス役にエイドリアン・ブロディ、マディ・ウォーターズ役にジェフリー・ライト、エタ・ジェイムス役にビヨンセなど。私は最近のR&Bは好きではないので、ビヨンセにも興味はないのですが、「ドリームガールズ (Dreamgirls)」 も良かったし、今回もやっぱり歌は上手かったですね。こういう 「歌の上手い黒人シンガー」 という役どころを演じると見事にはまる人だと思います。劇中、オバマ大統領の就任祝賀会でも歌った “At Last” も使われていました。

監督は Darnell Martin という人で、私は彼女については全く知らなかったのですが、アフリカ系アメリカ人の女流監督なのだそうです。

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以下、ネタばれありです。

この映画 (まあどの映画もそうでしょうけれど。) の評価は賛否両論あるようで、否定的な意見としては、「事実が歪曲されている」 というものが多いみたいです。確かに、「この映画は事実を基にしています。」 という字幕で始まるわりにはハリウッド映画的な脚色が多いなあ、という気はしました。「リトル・ウォルターはヘロインなんかやっていなかったし、人を撃ったりもしていない」 とか、「リトル・ウォルターがマディのバンドを離れた理由が違っている」 とか、「そもそも、チェス・レコードの創立者はレナードとフィルの兄弟のはずなのに、フィルが全く登場しないのはおかしい」 などと腹を立てる人がいるのもなんとなくわかります。私としては、まあこれは映画なんだしいいかという感じでしたが、「どこまでが真実なの~?」 という気持ちにはなりました。エタ・ジェイムスとレナード・チェスが恋仲だったという話も聞いたことはないし、その他いろいろ、「本当のことが知りたい!」 と思ってちょっと欲求不満気味になってしまいました。ちなみにうちの夫は、「あの年代にあのアンプはなかった」 などと言っていましたね (笑)。

まあそんな感じで脚色が多いのは事実ですし、チェス・レコードの設立から終わりまでの約20年間をたったの109分にまとめた話というのはブルース好きとしては物足りなく感じたりもしたのですが、ただ、「これだけは外せない」 という重要なポイントはきちんと押さえていたと思います。マディ・ウォーターズやリトル・ウォルターが音楽の歴史に革命を起こしたこと、彼らの作り出した音楽なしには、現在私達が耳にする音楽 (ロック、ポップス、R&Bなど) は存在しないであろうこと、ロックンロールを生み出したのは黒人ミュージシャンであること、それにもかかわらず有名になり評価されたのはエルヴィス・プレスリーなどの白人ミュージシャンばかりだったこと・・・。そういうところはきちんと伝わってきましたし、そういう面ではスピリットを感じさせる映画だったと思います。

4件のコメント

  1. ぐらぐら のコメント

    これ、面白そうですね。
    日本公開はいつかな?
    観に行きたいので、「ネタばれ」以下は読み飛ばしました!

    • Yuki のコメント

      >ぐらぐらさん

      私も見る前はなるべく情報は少ない方が良い派です!

      ブルース・ファンの人達からは不満の声も多かったようですが、私はそんなに悪くはないと思いました。

      日本公開は危ういという話も聞きましたが、無事に公開されることを祈っています!

  2. Azu のコメント

    日本の一部のブルースファンには変な思い込みをしている人達がいます。
    何か美化したがる人がいます。

    当時のブルースマン達はメチャ格好良かったしメチャセクシー、
    メチャカッコマン達だったと言う事をしっかり事実として受け入れないとダメです。

    チャック・ベリーの格好良さは、当時の白人の若い女の子の方が理解していました。
    まだまだ黒人の地位なんか確立されていない時代に白人にまで受けるほど
    格好良かったんです。逮捕されたのは、白人にハメラレタだけです。
    (殺されなかっただけ良かったかもしれません!)

    サム・クックは金髪の女性をオープンカーの助手席に乗せてモーテルに行ったら
    白人に撃ち殺されたんです。

    何が起こってもおかしくない国です。(貿易ビルに乗っ取った旅客機が現実に
    突っ込む国です)
    その国で生まれた音楽です。KKKもいまだに残っている国です。

    ついこの間まで、アフリカ系の人達は奴隷だった国です。

    • Yuki のコメント

      >Azuさん

      「美化する」 ということと、「実際になかったことをあったことにする」 というのは別のことだと思います。この映画は 「事実を基にしています。」 と明言しているので、「どこまでが事実なんだ?」 という疑問を見る人に与えるのだと思います。

      私が聞いたり読んだりしたこの映画に対する不満の声は、英語圏のブルース・ファン達によるもので、日本人のものではありません。日本でもブルースや人種差別の歴史に非常に詳しいコアなブルース・ファンもいます。KKKが残っていることも、ついこの間までアフリカ系の人達が奴隷だった国だということも、そういう人達はきちんと知っています。

      アメリカ同時多発テロ事件についてはアメリカだけの問題ではないので、「アメリカはそういう国だ」 と言ってしまうのは少し乱暴な気がします。「私達の住んでいるのはそういう世界だ」 と言う方がしっくりきます。

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