ゾルターン・コダーイ
先日、バルトークに再びはまっているという記事を書きましたが (>弦チェレ)、それに伴って、これまた再びはまっているのが、バルトークと同じくハンガリーの作曲家コダーイ。一緒に民俗音楽を収集するなど、バルトークとは仲良しさんだったようです。そんなつながりを辿って、バルトークにはまった時期に、コダーイの音楽もよく聞いていました。その作曲の手法はバルトークほど画期的なものではありませんが、その分、民俗音楽的特色が強く、バルトークの作品のような難解さがなくて、親しみやすいのではないかと思います。特に好きだったのが、『ハーリ・ヤーノシュ』 からの第5曲目、「間奏曲」。ツィンバロンという民俗楽器が活躍します。こういう哀愁漂うメロディーは、日本人の心にも通じるものがあるのではないでしょうか。
>Kodaly: Hary Janos mov.5 Intermezzo (with Cimbalom)

踊りつきバージョンも見つけて、おもしろかったのでこちらもアップしたいと思います。
>Kodály Zoltán: Háry János – Intermezzo
バルトークの音楽から私がイメージするハンガリーの踊りはこんなに優雅なものではなくて、もうちょっと原始的でワイルドなものなのですが、たまに入る手拍子とか、2:00あたりから始まる足踏みダンスなどが、私が感じるイメージとかなり上手く重なります。昨日の弦チェレだと、チェレスタがテーマを美しく神秘的に奏でて (5:52あたり)、その後にピッツィカートの 「バチン」 という音が入りますが、これは正しく手拍子か足踏みの音だという気がします。そしてその後に、ずんっずんっと続く野蛮なリズム。ああ、たまらない。血がどくどくと騒ぎます。って、コダーイのことを書くはずが、またバルトークの話になってしまいました。
弦チェレ
大学時代、バルトークにものすごくはまっって、ピアノ曲はもちろん片っ端から弾いて、ピアノ以外の曲もスコアを見ながら聞きまくった時期があります。私は大学時代、留学時代は、進むべき道が見えなくて悶々とした生活を送っていて、今思い出だしても心が暗くなることも多いのですが (楽しい思い出ももちろんたくさんありますが。)、大学に素晴らしい図書館があったことは、あの頃の私が得た良い経験のひとつだと思っています。バルトークにはまった時期も、この図書館で楽譜とCDを借りて、試聴室に入り浸っていました。
さて、最近よく聞いているのが、「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」。当時も大好きでしたが、久しぶりに聞いて、またはまってしまいました。どの楽章も素晴らしいですが、私は特に第4楽章が好きです。バルトークが自身の作曲によく取り入れた民俗音楽的要素の強い、躍動感あふれる楽章。
>Bartók Music for Strings, Percussion and Celesta (IV) Dohnányi, NDR SO
私はバルトークを聞くと血が騒いで興奮してしまうのですが、大学時代にレッスンに持って行ったら、先生に、「私、こういう土着っぽいのはちょっと・・・」 と言われてしまったのでした (笑)。結局、「あなたには合うみたいねえ」 と言って見てくれたのですが、「血が騒ぐんです」 と言ったら、ちょっと引かれてしまいました (笑)。この先生はパリでイヴォンヌ・ロリオ (メシアンの奥さん) のもとで勉強した方で、なるほどそんなものなのかなあ、と思っていました。私はバルトークもメシアンも両方好きなんだけどなあ、と。
その後、バルトークの楽曲分析をするクラスを取ったのですが、私の年度末のレポートを見たそのクラスの先生が、わざわざ私の家に電話をくれて、「そうそう、血が騒ぐのよねえ」 などと言って、もりあがったこともありました。久しぶりに弦チェレを聞いて、そんなことを懐かしく思い出しながら、またバルトークを弾こうかなあなどと思っています。
Freddie & the Dreamers
毎度のこととはいえ、今日もこちらの人々の働きっぷりの悪さを痛感。その分日本にはない良い面もあるわけだし、フランスに比べたらまだずっとましだし、いちいち怒っていては身が持たないから、あまり腹を立てないようにしようとは思っているのですが、それでもたまにキレてしまうことがあります。電話だったのですが、相手のあまりに無礼で理不尽で横暴な態度に、「stay cool, stay cool 」 と自分に言い聞かせても、怒りで声が震えてきてしまう。こういうことがあると、精神的にすごく消耗するのはもちろん、時間の無駄でもあり、それもまた痛いです。
こういう時はこんな映像を見て、頭をアホにするに限ります。
>BBC Blue Peter 60s with Freddie & the dreamers!
数日前に夫が教えてくれたもので、私のツボにかなりはまりました。Freddie & the Dreamers って私は全く知らなかったのですが、イギリスではけっこう有名みたいですね。この映像はBBC の Blue Peter という子供向け番組に出演した時のもので、私はてっきり子供向けにこんな振り付けをして演奏しているのだと思ったのですが、実はそうではなくて、この人達はいつもこんな振り付けつきらしいです。こんなのもあります。疲れないんですかね?
>Freddie and The Dreamers – I’m telling you now
かなりアホっぽいですが、みんなスーツなところがイギリスっぽくていいですね。私は若い頃に、70~80年代のブリティッシュ・ロックにはまったことがあるのですが、その魅力のひとつはファッションだったと思います。スーツでロックもそのひとつ (この人達はロックとは言い難いですけどね・・・)。スーツなんて普段は好きでも何でもないですが、こういう使われ方をすると、なかなか格好が良いと思います。あの頃の (といってもほとんどはリアル・タイムで聞いていたわけではないのですが。) ブリティッシュ・ロックは本当に良かった。
これ (最初の映像) を見た日から、夫のいる部屋に用事があって行く時は、いつもこのステップで入って行く私であります。用事がない時も、このステップで部屋の前を行ったり来たりして、開いているドアの隙間からアピール。ああ、しつこい。
ベスト・ツーリスト、ワースト・ツーリスト
BBCのニュースから。
旅行会社 Expedia が世界中の4500のホテルに頼んだ調査で、清潔で、整頓ができ、礼儀正しく、静かで、不平を言わないということで、日本人観光客がベスト・ツーリストであるという結果が出たそうです。
ワースト・ツーリストはフランス人観光客で、けちで、無礼で、その土地の言葉を学ぼうとしないから、というのがその理由らしいです。私は観光客としてのフランス人とは関わったことがないので、へえ、そうなの?という感じでした。その土地の言葉を使おうとしないというのはイングリッシュ・スピーカーに多いことだと思っていたのですが、そうでもないのかな。
ベスト・ツーリストの順位は以下の通り。
1.日本
2.イギリス
3.カナダ
4.ドイツ
5.スイス
6.オランダ
7.オーストラリア
8.スウェーデン
9.アメリカ
10.デンマーク
イギリスが2位というのを見て驚いたのですが、記事を読み進めて納得。イギリス人観光客は、ヨーロッパではワーストなのだそうです。酔っ払って大騒ぎするということで嫌われているイギリス人。私もオランダやスペインで見ましたが、見ているこちらが恥ずかしくなりました。しかしそのイギリス人が、世界的には第2位というのは興味深いですね。素行の良いイギリス人はヨーロッパ以外に行くことが多く、アホなイギリス人はヨーロッパに行くことが多いということなのでしょうか。それとも、アホなイギリス人でも、ヨーロッパ以外の国に行くと行儀よく振舞っているということなのでしょうか。日本人は国内では酔って騒いでいる人達をよく見かけますが、海外ではそういえば、そういう日本人は見たことがありません。これもまた興味深いです。
Banksy vs Bristol Museum - その2
先日の続きです。
展覧会では、アニマトロニクスを使った作品を集めたコーナーがありました。アニマトロニクスというのは私は知らなかったのですが、ディズニーパークのアトラクションなどで使用されているロボットのことなのだそうです。今回のバンクシーのアニマトロニクスは、アニマル・ライツを訴えるものや、人間と動物の関係を考えさせるようなものが多くありました。
籠の中で青白くやせ細ったトゥイーティーを見た時には、思わず 「ああああ~~トゥイ~ティ~~」 と叫んでしまった私です。弱々しく目を開けたり閉じたりします。

檻の中で絵を描く芸術家のお猿もいました。目の動きや、呼吸に伴って動くお腹がとてもリアル。

こちらは、檻の中で化粧台に向って一生懸命に爪を磨いているうさぎ。咄嗟にかわいい!と思ったのですが、暫くして、これは動物を使って化粧品などのテストをすることの風刺なんだと気付いたのでした。化粧台の上には、たくさんの化粧品が散らばっています。

水槽に入ったホットドッグがパンの間から抜け出して、水を飲んでいるという奇妙な作品もありました。ホットドッグの動きが妙に繊細で、気味が悪かったです。

展覧会場以外の美術館内にもバンクシーの作品は散りばめられていて、これがまたおもしろかった。古典絵画がずらりと並べてある中に紛れて、バンクシーの皮肉たっぷりの絵が飾ってあったりします。色々な動物の剥製が見られる野生生物のセクションでは、こんなものもありました。
キツネ狩り解禁を訴える看板に血を想像させる赤いペンキを塗って、キツネの剥製の横に置いてあります。

展覧会自体もすごくわくわくしたのですが、こういったバンクシーお得意のゲリラ手法で演出された作品も、とてもおもしろかったです。
Banksy vs Bristol Museum - その1
ブリストル出身のアーティスト、バンクシー (Banksy) の展覧会へ行って来ました。バンクシーはグラフィティ (街中にする落書き) で有名になったストリート・アーティストで、ブリストルの街ではいたるところでバンクシーの作品を見ることができます。例えば、こういうの。


政治色やメッセージ性が強く、風刺の効いたグラフィティを、こっそりと街に残して消えるゲリラ・アーティストのバンクシー。本名などの個人情報や顔写真は一切公開していないので、人々は彼の正体を知りません。そんなバンクシーの作品が、ブリストル美術館で展覧されることとなったのです。展覧会の準備は、美術館を閉館して内密に行われたそうです。一部のスタッフを除いては、何が起こっているのかは展覧会オープンの前日まで知らされなかったそうな。そして、準備中もバンクシーは身元を隠していたらしいです。美術官のディレクターでさえ、たくさんいたスタッフの中で、誰がバンクシーだったのかは知らされなかったという入念さ。美術館を運営するブリストル・カウンシルは、普段なら街の落書きを消して回る立場で (最近ではバンクシーの作品は消されずに残されることが多いのですが。)、そのカウンシルがバンクシーの作品を展示するというのは極めて異例のことだと、BBCでニュースにもなっていました。
>Banksy in secret exhibition stunt
展覧会は6月13日から始まっていて、これは絶対に行かねばと思っていたのですが、何しろ毎日すごい行列だというので、少し時間をおいてから行くことにしました。ブリストル美術館で入り口に行列ができるのは、初めてのことだそうです。恐るべしバンクシー。それで先日、ついに行って来たわけですが、まだ行列ができていました。15分くらいで入れましたが、それにしてもすごい人気です。
中に入ると、いつもの受付デスクが、焼け焦げたアイスクリーム・ヴァンに姿を変えてお出迎え。

ライオンの象もこんなにされてしまっている・・・。

ロビーを抜けていよいよ展覧会場に入ると、ペインティングやオブジェ、アニマトロニクスなど、たくさんのバンクシーの作品が並べてあります。私はこれまでやはり、バンクシーは 「ストリート・アーティスト」 というイメージを持っていたのですが、今回こうして様々作品を一度に見て、「ストリート・アーティスト」 と呼ばれる以上の人だなあと思いました。もっとも、バンクシー自身は、美術館に自分の作品を展示することを習慣とするつもりはないと言っていて、ストリート・アーティストとしての姿勢を崩すつもりはないようです。バンクシーはこれまで、自分の作品を美術館に持ち込んでこっそりと飾るということをしてきました。今回のブリストル美術館のイベントは公式のものであったとはいえ、作業は内密に行われ、タイトルも “Banksy vs Bristol Museum” というもので、ゲリラ的要素がとても強かったです。バンクシーにとって、美術館はゲリラの場のひとつでしかないのかもしれません。
バンクシーのサイトで、この展覧会のトレイラーを見ることができます。
>banksy.co.uk
オラ~
昨日から友達がうちに遊びに来ている。スペイン人のハーモニカ・プレイヤーである。「オラ~コモエスタス」 とやって来て、話中もたまに、「イエス」 と言う代わりに 「シー」 と返ってくる。
私は日常生活で日本語を使うことはほとんどない。「いただきます」 と 「ごちそうさま」 はたまに家で使うことがあるが、その他は箪笥の角に足の小指をぶつけた時に 「痛っ!」 と叫ぶくらいである。しかし先日、パブで他の客が私のテーブルにやって来て 「この椅子使っていい?」 と (もちろん英語で) 聞いた際、咄嗟に 「どうぞ」 と日本語で答えてしまったのであった。酒の力とは恐ろしいものである。

何はともあれ、一緒にハーモニカを吹いたり、ライブに出かけたり、スペイン風の朝ごはんを教えてもらったり、楽しく過ごしている。
写真は彼がプレゼントしてくれたキンクスのTシャツ。かわいい!!
西瓜
昨日までの湿度の高い日々とはうって変わって、今日は素晴らしく気持ちのよい天気となっています。からっと晴れた空に、さわやかな風。最高です。近所の八百屋さんで買った西瓜を冷して、お昼に庭で食べました。

イギリスでは西瓜はあまり一般的な果物ではなくて、店頭には出回るものの、夏といえば苺などの方がずっと人気があるようです。「夏は西瓜だ!」 と言う人には会ったことがないし、「西瓜大好き!」 と言う人もあまりいません。これはもちろん歴史的原因もあるのでしょうが、私はイギリスの気候にも原因があるような気がします。イギリスの夏は暑くなっても高が知れているし、長続きもしないので、あまり 「西瓜を食べたい!」 という気分にははならないのです。うちの夫も、「西瓜って水分が多くて、他のフルーツに比べて味が薄い。」 などと言っていたのですが、「でもさ、この数日間みたいな暑さが2ヶ月も続いていると思ってみ。それで、あまりの暑さに食欲もないっていう時に、みずみずしい西瓜をしゃりしゃりって食べたらおいしいと思わない?」 という私の言葉に、「なるほどー。それはわかる気がする。」 と言っておりました。西瓜はやはり、うんと冷したものを暑い日にいただくに限ります。ごちそうさまでした。
ジン・トニック
今年の冬は大雪で、「寒い冬の後は暑い夏が来るっていうから、今年の夏はきっと暑くなるよ。」 と言っていた人がいました。それを聞いた私は、「ええ~?ほんと?そんなこと言って、また夏なんて来ないんじゃないの、この国は。」 と半信半疑だったのですが・・・暑いです、今年のイギリス。といってもまあ30度を超えるくらいなのですが、イギリスにしては珍しい暑さです。おまけに湿度も高い。私は北海道の出身なので、湿度の高い暑さは苦手なのですが、「夏が来ない」 ということもあり得るイギリスに長年住んでいると、湿度くらい多少高くても、こう夏らしい日々が続くのはうれしいものです。


さて、夏においしいお酒と言えば、ジン・トニック。大好きなお酒で、年中飲んではいるのですが、夏は特においしい。先日も、運河のほとりのパブで、日が暮れるのを眺めながら、きんと冷えたジン・トニックをいただきました。ここのはおいしかったですが、ジン・トニックってたまに、やけに生ぬるくて水っぽいことがありますね。毎回作る工程を見ていて気づいたのですが、これは、トニック・ウォーターが冷えていないことに原因があるようです。冷蔵庫ではなくて棚においてあるトニック・ウォーターをそのまま氷の入ったグラスに注ぐので、氷がすぐに溶ける割りには冷たくなりきらず、水っぽくぬるいジン・トニックになってしまうのです。店側としては、「どうせ氷を入れるんだから、トニック・ウォーターは冷さなくてもいいだろう」 くらいの気持ちでいるのかもしれませんが、おいしいジン・トニックを作るのに、きんと冷えたトニック・ウォーターは欠かせないものだと私は思います。
そんなわけで、外で飲むのもよいですが、私は、うちで自分で作るジン・トニックも好きです。たっぷりの氷が入ったグラスに、好きな銘柄のジンと、冷蔵庫であらかじめ冷しておいたトニック・ウォーターを注ぎ、最後に大きめに切ったレモンをぎゅっと絞って入れます。お店のジン・トニックは、薄いレモンが飾りにようににひらりと入っているだけですが、自分で作る時は果汁を絞り入れることができるのが嬉しいです。今晩はうちでジン・トニックにしよう。